コラム・特集

不動産投資商品/学生向け賃貸住宅(学生寮・学生マンションなど)

不動産投資商品/学生向け賃貸住宅(学生寮・学生マンションなど)

今回は不動産投資対象商品として、学生向け賃貸住宅を考察いたします。不動産投資といえば、従来はマンションやアパートなどの区分所有物件・一棟収益物件を所有するのが一般的でしたが、学生向け賃貸住宅(学生寮や学生マンションなど)市場が活況を呈しています。その背景と実情をみて、福岡エリアでの投資商品としての可能性を見ていきたい。

人気の背景は?

次の4点に着目して考察しました。

1.人口減における不動産投資商品の分散化

日本の人口減というすでに表面化しつつある現実があり、従来型のマンション、アパート経営だけではなく、別の投資先も模索するという金融の分散投資の考え方が出てきたこと。例えば、貸倉庫やトランクルーム等のセルフストレージや、保育園等の教育施設、高齢者のための介護施設等にも投資の関心が向かっています。物件によっては従来型の投資商品以上の利回りが期待できる案件も出てきています。

2.少子化に於いての学生数増加

少子化でもむしろ学生数が増えているという事実があります。日本の18歳人口は1992年の204.9万人をピークに2015年は119.5万人にまで減少してきているが、大学生の数は1990年の213万人から2017年には289万人に増加しています。(H30度文部科学統計要覧)これを支えるのが留学生の増加と女子の進学率上昇です。同上の1990年に2.8万人であった留学生数は2017年には12.6万人と4倍以上に増加し、女子学生は58.4万人から、122万人の約2倍に増加しており、女子学生は進学率の増加が過去最高の50%越えとなっています。

3.収益の安定性

収益対象商品としては、学生向け賃貸住宅は入居と退去の時期が入学・卒業時期に集中しおり、稼働状況の予測が容易で、将来の計画が立てやすい点や、大学や専門業者への一括賃貸を働きかけやすいなど入居者の募集をしやすく空室リスクを低く保ちやすい点も投資対象として注目されています。また、契約については、学生の保護者と結ぶケースが多いため家賃回収もしやすく、滞納リスクが低い点は安全性高い商品と言えます。また、学生専門住宅(寮タイプはさらに)は保護者からすると大切なお子様をお預けするための安心から、多少割高な賃料でも入居を進めるきっかけとなるなどもメリットとなります。

4.立地条件による学生向け賃貸住宅の優位性

最近プロの投資家による学生向け賃貸住宅市場への参入も目立ちます。理由の中には、駅から遠い土地の有効活用という側面もあります。一般的なアパート、マンションなどと違い、学生向け賃貸住宅では通学時間が重視され、大学の周辺などであれば駅近でなくとも需要が見込める、という発想です。他の用途では評価が低い立地のため、土地に対する投資が比較的割安に済むという、立地にあった活用法です。

実情と今後の期待

学生向け賃貸住宅というと、安かろう悪かろうというイメージがあり、居住性能としては十分でないイメージがありますが、少子化に伴う保護者からの学生に対する負担能力の増加・海外からの公費を利用した優秀な留学生の増加等により、安全性・快適性を求めたハイグレードな学生向け賃貸住宅が期待される時期ではないでしょうか.
実際に海外では、学業に専念できるよう、ハイスペックな学生寮が定着しております。東京エリアでは、それらを踏まえてハイグレード・大規模な学生寮ができております。福岡エリアでも、エリアの特徴である学生数の多さや、収益の安定性・立地条件による優位性のある立地でハイスペックな学生向け賃貸住宅の供給が待ち望まれているのではないでしょうか。
弊社顧客にも、学生マンション投資をされたい方がいらっしゃいます。立地特性を生かせる土地を有効活用(借地)をされたい・売買されたい方がいらっしゃれば、ぜひお知らせください。

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