コラム・特集

マンション市場は中古が主役になる?

首都圏では2016年以降、中古マンションの成約件数が、新築マンションの供給戸数を3年連続で上回っており、今、中古マンション市場で大きな変化が生じています.

身近な部類に入ってくる中古マンション(区分所有マンション)の市場に何が起こっているのでしょうか?

新築マンション供給 2000年代前半の大量供給と金融危機以降の供給低減

首都圏の新築分譲マンションの供給戸数は2000年代前半は年間8万戸台で推移していました。バブルが崩壊し、企業が資産リストラにより都心の一等地・住宅として適切な大規模用地の処分を進めたことで、優良な立地に新築分譲マンションが供給されていきました。
金融危機以降は、人口減・売れ行き不振による需給バランスの崩れにより、新興デベロッパーが淘汰され、さらに生き残ったデベロッパーも都心部や郊外では駅近の大規模物件でマンション適地に絞ることで新築マンションの供給自体が減少しており、近年では年間約4万戸の供給戸数へ減少しています。

新築マンション価格の高騰と立地の良い中古マンションの供給増

ここ数年は、東京オリンピックを迎え、都心の好立地はホテル用地やオフィスビル用地との競合で土地代の高騰が続き、建設費も人手不足や人件費の上昇・資材価格の上昇などにより大幅な建築コスト上昇となり、好立地での新築マンション価格は高騰を続けています。あるデータでは2018年の首都圏の新築分譲マンションの坪単価は平均約290万円で、これは2008年の平均の3割超も上昇したといわれています。一方で、2000年代前半の年間8万戸供給の好立地の中古マンションが、竣工から10年~20年を経過し、中古マンションとして供給のピークになってきていることもあり、質の良い中古マンションが供給されるようになっと考えられます。

リノベーション物件の台頭

加えて、若年層を中心に『リノベーション物件』への関心が高まっています。『自分だけのこだわり』など、他との差別化を意識して、中古マンションを購入し、間取り・什器設備・カラーコーディネート、家具などの設置を考える層が確実に増えています。行政や業界団体の品質認定制度の整備や、金融機関によるリフォームローンの普及もあいまって、買手の意識も変化しつつあります。
国土交通省の調査で、新築と中古のどちらを持ちたいか聞いたところ、「どちらでもよい」という回答は2011年度の29.5%から2018年度には37.9%まで上昇しています。新築の値上がりが顕著な首都圏に限っては2017年度に41.1%に達しています。これらの動きは、マンションデベロッパーの中古マンション買取・リノベーション物件としての再販事業に現れ、各社新築分譲マンション以外の事業領域を広げる機会につながってきています。

福岡エリアでの市場特性

福岡の不動産市況は首都圏から遅れること数か月~数年で動き始めるといわれています。では、中古市場の動きは今後どうなるでしょうか?そこには、福岡ならではのマーケットの特徴も加味して考えなければいけないと思われます。
まずは国土交通省による不動産価格指数を見てみます。これは国土交通省が毎年一定時期に不動産価格を調査し、2010年を100としてエリア・用途別に指数で公表するデータです。これによると九州・沖縄ブロックの戸建て住宅は2019年1月期で109.4ポイント。マンションでは190.1ポイントなっております。この10年弱で戸建ては9.4%の価格上昇に比べ、マンション価格は90.1%上昇したということです。つまりは、戸建ての上昇は低く、マンションの上昇が急激といえます。ここには、コンパクトシティ福岡をはじめとする地方都市の特徴があるかと思われます。つまり、都心(マンションエリア)から少しでも距離が離れる戸建てエリアでは、土地価格の上昇がさほどでもなく、建築コストも木造はさほど上昇していない為、戸建ての価格が低廉に保たれている一方、土地価格、建築費の影響を受けやすいマンション価格が急激に上昇しているということです。

福岡エリアでの中古市場の発展可能性

最後に福岡エリアでの新築マンションと中古マンションのデータを確認して、今後の発展可能性を検証してみます。
福岡県内の2018年における新築分譲マンション着工戸数は約5,780戸、中古マンション成約戸数は約3,900戸程度といわれています。これを見ると、首都圏の2005~2007年における比率と類似しています。今後この比率が同等になっていくかどうか、買手の意識の変化などの心理的影響も含め注視してみることが、福岡エリアの中古市場の発展を判断する材料となると思われます。
 なお、弊社顧客層では福岡の中古マンション市場を積極的に見ている顧客が多くいらっしゃいます。

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